そいつは黄色い髪をしていた2010/02/10執筆 無い間放置してあった某ボカロのパロディのつもり。 コツコツ コンコン ガラスを叩くような音がした。 ディスプレイに表示された男の子は確かに内側から画面を叩いているように見える。 演出? そう思った途端にそいつは外に出て来た。 「なに?このモニター?変なのだね?古いの?それとも新しいの?この年代特有のなの?」 黄色い髪をしたショタキャラは変声期少し前の舌足らずな調子でしゃべり始めた。 「ブラウン管・・・悪かったな骨董品で」 ※※※※※※※※※※ 秋葉原の大型量販店の処分品980円のワゴンの中にそのソフトは混じっていた。 ちょっとパチもん臭かった。 確か、男女一組の筈なのに男だけだったから。 俺は女の子の方を探したが見当たらなかった。 恐らく、こっちだけが売れ残ったのだろう。 そう解釈した。 ※※※※※※※※※※ 「で?歌う以外になんかできるのか?」 悩んでいても仕方が無い。 「できないよ。メイドロイドじゃあるまいし」 セーラー服に半ズボン姿の男の子は物珍しそうにきょろきょろしながらそれでも話す時だけは俺の目を凝視しながら答えた。 一瞬、どきっとした。 少年というよりは男の子って感じがする。 年齢は12歳ぐらい? いや、設定では14歳の筈。 身長146センチ、体重47キロの筈だがもう少し小さく見える。 いや、身長は140センチ、体重は37キロだ。 そう表示されてる。 性格は・・・ 『やや反抗的』 「パラメータ、少し弄れるよ?説明書読んでないの?」 俺の肩越しにデータを眺めながら馬鹿にしたように言った。 大人より体温が高いような気がする。 ぷにぷにして遊んだら楽しそうだ。 画面を確認すると確かに身長と体重は数値を変更できそうだ。 それどころか、年齢や性別まで変えられるようになっている。 服装や性格、アレの大きさなんて項目まである。 「なるほど・・・じゃあ、年齢18歳の女、性格は従順に変更しよう」 カタカタカタ 「え~っ、それじゃオレを買った意味ないじゃん、馬鹿なの?」 拳を振り上げて抗議する様はカワイイがこいつは男だ。 さっきは不覚にもどきんとしたが。 ※※※※※※※※※※ 変わらない。 「変えられないじゃないかっ!」 俺は14歳にはとても見えない男の子の頭をぐりぐりする。 うっ、意外と反応が楽しい。 「きっと、マシンスペックが足りないんだよ、必要最低性能は・・・」 そ、それはどこのスーパーコンピューターなんだよ。 「必要データ数の少ないのなら変えられないこともないかも」 うーむ、すると・・・変更可能なのは・・・ ふむ、布地の少ない服装ぐらいならなんとか。 「せめて、ブルマとかスクール水着とかないのか?」 一覧にそれらは見当たらない。 なんか色気の無い格好ばかりだ。 「だって、そんなの古いアニメの中だけだからユーザーに馴染みがないもん」 仕方無い。 この、競泳用水着ってので我慢しとく。 男のもっこりなんか見たくないけど選択肢らしい選択肢が少ない。 ぱっと初めて姿が変わるのを見た。 うわっ 「なにそれ?」 布地が極端に少ないブーメラン型。 殆ど隠れてない。 女の子のパンツみたいだ。 「競泳用水着も知らないの?」 いや、もっとこう小学校の授業で使ったようなのかと思ってた。 「恥ずかしくなのか?」 「羞恥心のパラメーターも弄れないみたい」 せめて顔を赤くしろ、かわいげのないやつだ。 「それより、遊ぼ」 肌を密着させるんじゃない。 熱いだろうが。 俺は、もう1つ変更可能なパラメーターに思い至った。 布地を減らせる。 即ち数値をマイナス方向には移動できるわけだ。 「ふふふ、変更可能なパラメーターがもうひとつ・・・」 「ま、まさか、それだけは勘弁してっ!」 俺は生意気な餓鬼を屈服させる方法を発見した。 ちょっともっこりしてる股間を見詰めるだけでいい。 プラス方向には動かせないけどマイナス方向なら10歳ぐらい遡れる。 |