小ビンの中の・・・
1999/5/22UP
(解説)
気分だけはファンタジー。
小ビンの中の小悪魔に『余計なこと』をされちゃう男の子のお話。
関西弁の悪魔が一部に大ウケしました。
いいんだけど、お母さんの理解力有り過ぎ(笑)
サトシは小さな声を聞いた。
「おーい、ここや、ここや…脇の川の中に落ちているビンの中や」
サトシは5年生にしては空想癖がある。
軽い好奇心を刺激されたサトシは、乾いていそうなところを選んで
コンクリ ートで固められたドブ川に飛び降りるとビンを探した。
あった!
理科の実験で使う薬品が入っていそうなビンが落ちていた。
透明だから中身がハッキリと見える。
サトシは沸きあがってくる興奮をムリヤリ押さえ付けると
全力疾走で家に帰 った。
「ふう、あんまり揺らすもんやから気分が悪うなったやないか」
ビンの中身は言った。
15センチぐらいのビンの中に収められた10センチぐらいのそれは、
褐色 の肌を持った男の子、サトシと同じぐらいの年齢に見えた。
但し、2本の角と2枚の羽根と長い尻尾が付いている。
小悪魔…
その言葉で全てが説明できた。
「へえ、悪魔って本当にいたんだ」
興奮気味にサトシは言った。
「そや、普通の人には見えへんけどな。
お前には特殊な才能があるんや」
「才能?」
「わしらと取り引きできる才能や。いやあラッキーやったで、
初日で見つかる
とは思うてへんかった、
…ほな早速、取り引きといこか」
「ぼ、僕はタマシイなんか売らないよ」
「アホ、わしらそんなもんもろてどないせいちゅうねん。
わしをこのビンから
出してくれたらええねん。
そしたら何でも願いを叶えたる」
それを聞いた、サトシはビンを掴むとブンブンと振り始めた。
「な、なにすんねん。目え回るやろ!」
「ばーか、誰がそんな手に引っ掛かるもんか!
どーせ、悪さでもして閉じ込め
られたんだろうが…」
スポッ。
サトシの手からビンが、すっぽ抜ける。
次の瞬間、床に落ちたビンは
小さく、ぱりんという音を立てて砕け散る。
「…しまった!」
「うげえええええ…思いっきり酔ってもうた…」
小悪魔はビンから出ても大きさが変わらなかった。
元からそういうサイズなのだろう。
「お前、アホやなあ。今のは事故やから、
わしを出したことにならへん。
願い事を叶えてもらう権利はないちゅうことや」
その言葉を聞いたサトシは青ざめた。
最悪の場合、願い事でビンに戻してや ろうと思っていたのに
それさえもできないとは。
「わるう思わんといてや。そーいうシステムになっっとってな。
わしも魔力が
つかえへんのや…でもビン割れてもうたしな…
ちょっと電話貸してんか」
小悪魔は、そう言うとピョンピョンとハネていく。
どうやら羽根は飾りらし い。
「…でな、アホなガキがビン割ってしまいよったんや。
…頼むわ。迎えにきて んか」
小悪魔は小さな体で器用に電話を掛けた。
「こら、アホ。なに、ぼーっとしとんねん。部屋に戻るで」
「う、うん」
促されるまま、素直に部屋に戻る。
「お前もなあ…せっかくの幸運をなくしてカワイそうになあ」
「幸運?」
「そや、わしら神さんのボランティアみたいなもんでな。
願い事を叶えて回っ て、人間が何を考えてるのか
調べる仕事しとんねん」
「それじゃ…」
「そや、わしら別に悪いことしてへんのや」
サトシは落胆の表情を見せる。
「まあ、これもなんかの縁やしな…
願い事叶える力は使えへんけど…
気持ちよ ーしたるわ…
まだガキでなんも知らへんみたいやし」
そういうと小悪魔はトンボ返りしてサトシとそっくりに化けた。
大きさは小 さいままだが。
「まずな、こうして…」
サトシに化けた小悪魔はズボンの上からイチモツを触り始めた。
サトシもそれと全く同じ動きをする。
「あ、あああああああ…」
「どや、おしっこチビリそうな気分やろ。
感覚が100倍ぐらいにはなっとる さかいな」
サトシは思いっきり情けない顔になる。
「あーあ…ホントにチビっちゃた…」
パンツが肌に張り付くイヤな感触がする。
「ふう…思いっきり、お子様やな…ええわ。一気にイッてしもたる」
「ちょっと…待って。部屋で、おしっこもらしたら後始末に困るよ」
「大丈夫やて」
小悪魔はそういうとズボンと下着を脱ぎ捨てる。
それに合わせてサトシも同じ行動を取る。
「なんや、小さいな。毛も全然やし、皮も被ってるし…」
その意味は半分ぐらいしか理解できなかったが、
侮辱されていることは分か った。
「ま、帰ったらサービスでなんとかしたるわ。
そういう方面は、勝手にやって もやかましいわれへんし…」
小悪魔とサトシは小さなモノを丁寧に剥くと
先端に指を掛けて一気に刺激す る。
「!!!」
サトシは声を上げる間もなく、白い液体をぶちまける。
顔が一気に真っ赤になる。
自分は何かトンでもないことをしてしまったのではないかという
罪悪感が襲 ってくる。
「やっぱ、お子様には早いか…」
小悪魔は再びトンボ返りして元の姿に戻る。
「あ、迎えがきたみたいやし帰るわ」
そういうと小悪魔の姿は消えてしまった。
サトシは、しばらくの間呆然としていた。
どうしようこれ…
白いベタベタした液体がこぼれたジュウタンを
どう処理したものかという思 いはあった。
しかし、それ以上にさっきの行為に興味があった。
「えっと、こうやって…」
丁寧にカワを剥いて行く。
最後に小さな桃のような赤黒いモノが現れる。
「ううううううう…」
触れた途端に電気ショックのような衝撃が走り、
白い液体がほとばしる。
100倍の敏感さはまだ残っているようだ。
「はあ…」
体育でマラソンをやった後より疲れていた。
疲れたサトシはそのまま眠ってしまった。
・
・
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下半身丸出しで倒れこむように眠っているところを
お母さんに起された。
意識が戻ってくると同時に、物凄い罪悪感と恥辱感が襲ってきた。
部屋は綺麗に掃除されている。
お母さんがやったらしい。
困ったような顔でサトシを見詰めている。
「………」
気まずい空気が流れる。
お互いに何も言い出せない。
理解力のあるお母さんは、次の日、近所のコンビニで売っている
18禁雑誌 を一通りとボックスティッシュと手紙を無言で差し出した。
『サトシくんへ
まだ早いとは思うけれど、男の子だから仕方がないですね。
でも、ちゃんとテイシュで処理してください。
それから、そういうことはコッソリやるものです。
間違っても、外ではやらないでください。
それだけ守ってくれればお母さんは何も言いません。
いっしょに渡した雑誌は18歳になるまではお店で買えないので
気を付けてください』
サトシがこの手紙の意味を理解するのは
数年経ってからのことである。
追記。
小悪魔は実に余計なことをした。
後日、修学旅行で英雄になれるぐらいの
下半身となったサトシであったが、
その生涯において最初を上回る快楽は得られなかったそうである。
…まあ、100倍じゃあな。 |