「なぁなぁ、男の子か女の子か分からないキャラって大抵、男だと思わない?」
うーん、そうかな?
「男の子か女の子か分からない中性的なキャラって
主人公が女だと思ってホレたりすると実は男ってのがパターンなんだよ」
でもさ、主人公が男の親友だと思ってたりすると実は女の子だったりする。
「そうだよな。ファンタジーだと好きになった相手によって性別が変わる種族だったりするんだよな」
うんうん。
「お前は、どっちなんだろうな?」
僕?
どう見たって男じゃないか。
「そうなんだけさ、妙にカワイイとこがあって、お姉さんにモテたりしてるし」
ひっで〜、僕が『カワイイ』とか言われて頭をなでられるの嫌いなの知ってる癖に。
僕達が話し込んでいると、ガチャリとドアが開いて
友達のお姉さんがお茶のセットを持って来てくれた。
お湯の入ったポットにインスタントコーヒーとティーパックの紅茶と瓶の牛乳と蜂蜜の壷だ。
友達は、その日の気分によってコーヒーだったりカフェオレだったりと飲む物が決まっていない。
「コーヒーでいいか?」
ううん、紅茶がいいな。
「じゃあ、俺はホットミルクにするな」
でも、その牛乳って冷たいんじゃ?
「ちょっと温めてくる」
あーあ、台所に行っちゃよ。お姉さんが持って来てくれた意味ないじゃんか。
「ただいま、この間こんなの見付けたんだ」
戻って来た友達は、
某所でイメージキャラになっている男の子のUFOキャッチャーみたいな人形を手にしていた。
ちょっと僕に似てる。
「似てる?モデルなんだろ?」
……そうなんだ。デザイナーの伯父さんが何故か僕をモデルにしちゃったんだ。
でもデフォルメしてあるから僕がモデルだってことは言われないと分からない。
「そうかな?結構、似てると思うけどな」
なんで頭をポカポカするんだよ。
「いや、お前が痛がらないかと思ってさ」
あのな、呪いのわら人形じゃないんだぞ。
「でも、これって良くできてるんだぜ」
わーっ、服が脱げるじゃないか。芸が細かい。
「ズボンを脱がすとちゃんとパンツも履いてる」
脱がすなよ。
「でさ、パンツを脱がすと……」
だから、脱がすんじゃないってば。
……げ、付いてる。
「いいと思わないコレ」
思わないよ。あ、馬鹿。グニグニするんじゃない!
……なんか感じるじゃないか。
「ふーん、ココだけ呪いの人形なのかなあ?」
そ、そんな訳ないけど……そうかも知れない……自分のを触られるみたいな気がする。
友達は調子に乗って、10分ぐらいツンツンしたりフニフニしたりして僕(の人形)をもてあそんだ。
「あっ…!」
僕達は同時に叫んだ。
人形はカップの中に落ちた。
と同時に僕のパンツも少し湿っちゃたみたい・・・
どっちだと思う?
僕の飲んでた紅茶か、それとも友達の飲んでたホットミルクか。