中学の指定水着はビキニタイプ
大助&友也シリーズ1

1999/4/8UP

(解説)
 何故かシリーズ化しちゃた二人の最初のお話。
 如何にも狙ったタイトルと、先を読まれることを避ける為の無理な展開。
 お子様なんだか、何なのか不明なこの二人、
 ホモじゃないという作者の叫びは虚しく宙に吸い込まれる・・・
 だってこいつら、勝手に動くんだもん(笑) 


「なあ、今晩泊まりに来ないか?」
 
 大助が、こう言ったからには泊まりに行くことは決定したのと同じだ。
 
 やれやれ。
 
 大助ってばいつも強引なんだからと友也は思った。

 
 友也が大助と初めて会ったのは三歳児の健康診断の時だった。
 
 ……らしい。勿論、記憶になど無い。
 
 お母さんたちが中学、高校と同級生で親友の間柄だったらしい。
 
 思わぬ再会に感動した二人は友也の家で想い出話に花を咲かせた。
 
 その時、初めて遊んだことになるのだが、
 友也が気に入っていた車の玩具を大助も気に入ったらしく
 独り占めにしてしまった。
 
 大助も悪いと思ったのか、二人分のおやつを友也の口に押し込んでくれた。
 
 イジワルではなく好意だったのだろう。(お母さんには怒られたが)

 以来、大助の好意的な行動によって、友也が酷い目に遭うパターンを
 繰り返しながら、腐れ縁で幼馴染なんて関係が続いている。
 
 だが幼稚園から小六のまで、クラスが同じになることはなかった。
 
 今年、中学に入って初めてクラスが同じになった。

 大助はよっぽどうれしかったらしく、
 女生徒からホモ説を囁かれるぐらい友也にベタベタとくっついている。

 ちなみに、大助は元気系が好きな女の子に、
 友也は可愛い系が好きな女の子に密かに人気があったりする。

 
「泊まりに行くのはいいけどさあ、なんか突然だなあ」

「だって、母ちゃんってば一晩ぐらいカップ麺で何とかしろって言うんだぜ。
 友也が泊まりに来るって言ったらカレー作って置いてくれるって……」

「何だよそれ?訳分かんねえぞ」

 大助の要領を得ない説明は延々と続いたのだが要約するとこういう事だ。

 大助の両親は用事で土曜日の夕方から日曜日の夕方まで留守になる。

 留守番の大助はその間に三回分の食事を確保しなければならない。

 朝と昼は食パンやカップ麺でも我慢できる。

 しかし夕食まで、それではイヤだと大助は主張した。
 
 数回の調理実習を経験しているとはいえ、
 殆ど試食担当だった大助に食事を作るなどという芸当はできっこない。
 
 そこで、大助が考えたのが友也が泊まりに来るから
 食事を何とか用意してくれというアイデアであった。
 
 ……実際のところ友也が泊まりに来なくてもカレーは準備される筈だった。
 
 お母さんにしてみれば大助ひとりに留守番をさせるよりは
 友也も一緒の方が安心だと思ったのだろう。

「だったら大助が、うちに泊まりに来た方がよかったんじゃないか?」

 その通りである。

「ダメダメ。留守番なんだから家を空にする訳にはいかないだろ。それに……」

 大助は少し言葉を止めた。

「俺たちだけで泊まった方がおもしろい!」

 ふたりは声を揃えた。

「で、さあ。こないだ買った海パンすぐ出てくるか?」

「学校の指定水着のこと?家に帰ればすぐだけど?」

「俺んち来る時に持って来いよな」

「まだ6月だぜ。市民プールなんて開いてないぜ」

「いいから、いいから」

 友也はお母さんにお泊まりのことを、どう切り出したものかと悩んでいたが
 大助のお母さんが電話してくれていたらしい。
 
 家に帰ると着替えと歯ブラシが用意してあった。

「ふたりだけだからって、夜中まで騒ぎまわったらダメよ」

「はあーい」

 友也は夕食用に焼かれていたアジの開きに
 若干の未練を残しつつ大助の家に向かった。

 
 友也が大助の家に来るのは久し振りだった。
 学校に近い友也の家に大助が寄り道をして帰ることの方が多かった。
 いくら仲がいいといっても私生活まで年中一緒という訳ではなく、
 休日は別個に過すことの方が多い。

「あれ?改装したの?」

 外観は前と同じだったが玄関の様子が違う。

「うん、台所と風呂場だけな。古くなって来たからって」

「でも、玄関も変わってる」

「ああ、大工さんが入りやすいように物を退けたついでに
 下駄箱を買い直したんだ」

「ふーん」

「さっさと飯食おうぜ。俺、腹減っちゃって」
 

 カレーは大鍋一杯に作ってあった。

 育ち盛りが二人で食べても二,、三食分はありそうだ。

 ご飯も大量に炊いてあった。

「おばさん、俺たちを食欲魔人だと思ってない?」

「いいじゃん。俺、三食カレーでも平気だぜ」

「……俺はヤだ」

 量が多いせいだろうか?肉の分量が少ない。

 豚肉で水増ししてあったり、
 ジャガイモやニンジンを大きく刻んで誤魔化してあったりする。
 時々、正体不明の具も発見される。

 だが、味は美味かった。

「俺さあ、最後の晩餐に何を食べるかって聞かれたら、
 母ちゃんのカレーって答えると思う」

 大助が、そう言って食事を締めくくった。


 ザブザブザブ……

 友也が食器を洗って、大助が拭いて食器棚にしまう。

 大助は、どうせ夜中か明日の朝にまた使うんだから、
 そのままでいいと主張したのだが友也は聞かなかった。

「さてと……海パン持って来たか?」

 大助がニヤニヤしながら訊いて来た。

「ああ、持って来たけど……」

 友也には、その目的が分かったような気がした。

 風呂だ。

 きっと大きくなった風呂場で遊ぶ気に違いない。

 だが、その意見はアッサリと否定された。

「あのなあ、過保護な小学生が銭湯に行くんじゃないだぜ。
 水着着て風呂入ってどうすんだよ」
 
 大助がバカにしたように言う。
 
 修学旅行では水着履いて風呂に入って先生にムリヤリ脱がされてた癖に。

「裏の高校にプールがあるだろ?あそこに忍び込んで泳ごうぜ!」

「えーっ、あんなドロドロしたプールで?」

「ふふふ、昨日、掃除してるのを見たんだ。だから今はキレイなんだ」

「ま、そういうことなら……」

 友也はカバンから、まだビニール袋に入ったままの
 学校指定水着を取り出す。

「なんだよ、お前、まだ開けてもいなかったのか?俺なんか……」

 大助が、ズボンを脱ぎ捨てる。

 一時間目が水泳の日じゃあるまいし。

 だが、友也はドキンとした。

 競泳用水着って、なんか体にピッタリしてて……イヤらしい感じがする。

「何、黙ってんだよ?」

「いや、その水着って思ったよりピッタリしてるんだなあって……」

「なんか、黒いパンティみたいだろ?」

「うん……」

「友也もさっさと着替えちまえよ」

 その言葉に友也はズボンを脱ぎ、
 腰にバスタオルを巻いて下着を脱ぎ始めた。

 ……なんでだろ?軽く勃起してる。

 俺、何で男、それも大助なんか見て感じてるんだろ?

 友也は夢精ぐらいしかしたことがなかったが、
 男は女に性的魅力を感じると勃起することぐらい
 保健体育で教わらなくても知っていた。
 
 大助の水着姿なんか見慣れている。
 
 幼稚園の時の黄色い水着に始まって、
 一緒に海に行った時の青い縞々のとか、
 小学校指定の紺色で右上に白い布付けて名前書いた奴とか……

 でもビキニタイプのは初めてだった。

 なんでだよ?水着どころか、一緒に素っ裸で泳いだこともあったし、
 風呂にだってしょっちゅう……

 考え始めると徐々にアソコが大きくなっていくのが自分でも分かった。 
 
 サポーターは入ってるけど……大きくしてることが分かるんじゃないかな?
 
 不安だった。怖かった。大助に知られることが。

「なに、モタモタしてんだよ。それに何だよ、タオルなんか巻いちゃってさあ」

 大助が腰に巻いたバスタオルを引っ手繰る。

 水着は、まだ本来の定位置に到着せずに、その直前で止まっていた。

「……何で大きくしてんだよ?」
 
 友也の顔が真っ赤に染まる。

「大助が……大助が悪いんだあ!」

 友也は水着を引き上げることも忘れて泣きじゃくった。

 友也は泣かない子供だった。

 何があっても泣いたことなど滅多になかった。
 むしろ大助の方が怪我をしたりして大泣きすることが多かった。
 
 大助はうろたえた。
 泣いている友也なんて記憶に無いし、
 だいいち何で泣いてるんだか理由がサッパリ分からなかったからだ。

「ご、ごめん。謝るからさあ、泣き止んでくれよ」

 大助は、バスタオルで友也の前を隠してやる。

 原因として思い当たるのは、それぐらいしかない。

「ひっくひっく……」

 友也自身にも泣いている理由は分からなかった。

 泣き止みたいと思ってもが、涙が止まってくれない。
 
 それでも必死に涙を拭った。
 
 すると不思議なことに気持ちはケロっとした。
 
 開き直ったと表現するのかもしれない。
 
 今度は大助の方が泣きそうな顔をしている。
 
 友也を泣かせてしまったからだ。
 
 友也は、その表情がたまらなくカワイイと思った。

「ね、僕のだけ見せてるのって不公平だよね」
 
 友也はそう言うと大助の水着をズリ下ろした。

 勃起はしていないので随分と小さく見える。

「オナニーってしたことある?」
 
 大助は首を横に振った。

「僕もしたことないんだ……確か、サスればいいんだよね?」

 いきなりサスるのは、ためらわれたので撫でるように触れる。

 それが却って刺激になったようだ。

「や、やめろよ……」

「ダメ、僕を泣かせた罰だよ」
 
 そう言うと、一気に力を込めて刺激する。。

「うっ……」

 大助の表情が徐々に恍惚の表情へと変化して行く。

 数分後、白い液体を撒き散らして果てる。

「ふーん……オナニーってこんななんだ」

 僕がやったから厳密にはオナニーじゃないんだけど。

「じゃあさ、今度は大助が僕のことをイカせてよ」

 グッタリとしている大助の手の平に無理矢理アソコを握らせる。

 自分でも何かトンでもないことをしてる気がしたが引き返せなかった。

 ギコチナイ手が友也のイチモツをサスり始める。

 数分後、友也も白い液体を撒き散らした。


「……友也のせいだからな」

 大助はプリプリ怒りながら雑巾をお湯で絞っている。

「ごめん……」

 友也は素直に謝る。

 後始末までは考えていなかった。

 床に鼻を近づけてクンクンと匂いを嗅ぐ。

 大丈夫。

 台所がフローリングで助かった。

「ふう、何とか片付いたな。じゃあ行こうか」

「行くってどこに?」

「決まってるだろ、泳ぎに行くんだよ」

 タフだなあ。僕はもう寝たいのに。


 プールには何人かの先客がいた。

 近所の小学生らしい。

 真っ暗なプールに動き回る黒い頭は、ちょっと不気味だった。

 小声で話しているつもりらしいがカン高い声なので響いている。

「どうする?」

 友也は大助に訊いた。

「うーん、あいつらが帰るのを待ってみるか?」
 
 小学生と騒ぐのは嫌だった。
 自分達もつい三ヶ月前までは小学生だったのに。 
 
 まだまだ夜風は冷たい。
 
 十数分後。

 肌が冷たくなって水に入るのが嫌になってきた頃、
 小学生たちは帰る気配を見せ始めた。
 
 常夜灯の下をペタペタと歩いていく。
 
 コッソリと歩いているつもりだろうが丸見えだ。

「なあなあ、あいつらにもオナニーさせてみないか?」

 大助が提案した。

 答えを聞く前に飛び出していた。

 途端に小学生たちは駆け出した。

 当たり前だ。

「おい、足の方押さえろよ」

 逃げ遅れた小学生を捕まえた大助が友也に小声で囁く。

「むぐぐぐ……」

 大声で叫ぼうとする口を大助が押さえている。

「黙れって。大きな声出したら先生が飛んでくるぞ」

 友也は、ちょっと興奮していた。

 去年まで自分たちが履いていたのと同じ小学校指定の水着。

 大助の姿が重なった。

 少しのためらいの後、一気にズラす。

 縮み上がった小さなモノが姿を表す。

 これを大きくしたい!

「ちょっと待て、こいつ隣んちのチビの方だ」

 大助の言葉に思考が正常に戻る。

 マズイ。絶対、親にタレ込まれる。

 友也はズラしていた水着を更に下へとズラして剥ぎ取ると、
 プールの中へと投げ込んだ。
 
 男の子は、半泣きになりながらそれを追う。
 
 その姿を目で追った友也はポツリと言った。

「……帰ろ」

「そうだな」

 二人は大助の家に戻った。

 隣のチビ助が親に告げ口するかどうかは分からないが、
 少なくともワイセツ行為だけはしないで済んだ。


「寒い」

「うち二十四時間風呂なんだ。入るか?」

「うん」

 水着のまま風呂に飛び込んだ。

 脱ぐのが面倒だったというのもあるが、
 既にガビガビの下半身とそれに触れている布地をなんとかしたかったからだ。
 
 二人は湯船の中で水着を脱ぐ。

 スースーとした感じがして気持ちがいい。

 ちょっと白い物が湯船に広がるが、友也はかき混ぜて知らんぷりをする。

「ねえ、さっきのってオナニーじゃないんだよ」

「ああ、自分でやってないからな」

 大助にもその程度の知識はあったらしい。

「……今、やって見ない?向かいあってさ」

「うん……」

 二人は鏡のように向かい会って座る。

 目は真剣だ。

「じゃあ行くよ」

「ああ……」

 二人は同時に自らのイチモツに刺激を与え始めた。

 そして、何度も何度もイッた。

 最後の気力を振り絞って布団にもぐり込んだまでしか記憶が無い。


「やだあ、二人共、素っ裸じゃないの」

 昼過ぎに帰って来て布団を剥ぎ取った大助のお母さんが叫ぶ。

「おばさん……」
「母ちゃん……」

 二人は、まだ眠い目を擦った。

「夕方って言ってなかったっけ?」

「心配だから早めに帰ってきたのよ」

 言いながら、二人分の水着を差し出す。

「これ、お風呂場にあったわよ。いい歳してお風呂で遊んだりして……」

 お母さんは剥き出しになったままの大助のお尻をピシャリと叩く。
「痛ってえ!何すんだよ母ちゃん」

「黙りなさい、風邪でもひいたらどうすんよ。全く……中学に入って少しは、
 しっかりするかと思ったら相変わらず幼稚園児並なんだから」

「ほら、友也くんも……」

 そう言って友也のお尻も同じように叩いた。

「ごめんなさい」

「大助も友也くんぐらい素直だといいんだけどね。
 二人とも、さっさと服着なさい」

 お母さんは、そう言い残すと台所へ向かった。
 
 それを目で追った友也は小声で大助に囁いた。

「ねえ、来週、うちの両親も留守にするんだ。泊まりに来ない?」

 すると大助は、こう答えた。

「絶対に行かない!」
 
TOPへ戻る