ぼうけんき
第3話『ケモッ仔の明けない夜』

2005/05/28UP・2010/04/24修正


RPGのようなファンタジーの世界。
そこに3人のショタっ子がおりました。
 
それは冒険者ですらない彼らの無軌道な冒険の物語。
・ ・・になるといいな。 

夜。

三つの人影、、、人かもしれない影がコソコソと動いている。

黒髪に黒い瞳の少年、いや男の子アイン。
頭に生えた三角の耳、2本の太い尻尾。
手には大事そうにグレートソードを抱えているが身に纏っているのは股間の葉っぱだけ。

赤毛に赤い瞳の少年、整った顔立ちを崩さないツヴァイ。
同じく、葉っぱだけだが指には魔法を使う為の指輪ガ光っている。
そして羽毛の無い黒い翼に黒くて長い尻尾。

金髪に碧の瞳の少年、ぱっと見には美少女なドーリー。
自分から脱いだので少し溶けたり汚れたりしているが無事だった自前の服、額の神秘的な角。 尻尾は丸くて短いのでズボンの下になると目立たない。代わりに大きなウサ耳が目立っている。

3人は街に戻ってきた。

道中で山賊とおぼしき連中から品物を巻き揚げながら。
 
「うわっ!コレ俺達のことじゃない?」

アインが指差した真新しい張り紙には情けない金額の賞金と共に次の言葉が書かれていた。

『キツネ系、ウサギ系、魔族系と思われる3人組の亜人間による山賊』

似顔は描かれていないが彼ら3人であることは間違いない。

「酷いな、身包み剥ぐのは気が引けたから着るものは勘弁してやったのに」

「アイン、字が読めるようになったんだ」

ツヴァイが頷きながら感心する。

「でも、これじゃぼく達、騎士団の人に逮捕されちゃうよ」

ドーリーが心配そうにツヴァイを見詰める。

「仕方無い、お師匠様と一緒に謝りに行って許して貰おう・・・アイン、手配書破るのも犯罪だよ」

コソコソ。

3人は人に見られないように慎重に家路に着いた。

コンコン。

「お師匠様、戻りました」

アインが玄関を叩きながら小さな声で囁く。

ぎい。

「ん、なんだ?お前らは?」

妙齢の女性、彼らのお師匠様は怪訝そうな表情で彼らを眺める。

彼女の後ろには2人の弟子と1人の養子、即ちアインとツヴァイとドーリーが立っていた。

それも耳や尻尾の無い普通の人間の姿で。

数分後。

途方に暮れて夜の街を歩く3人。

「お義母さん、ぼく達を分かってくれなかったね」

ドーリーはかなりショックなようだ。

「ああ、冗談で火炎魔法使ったりしないよな」

アインが少し毛先が焦げた尻尾を持ち上げる。

「どうしよう?お師匠様が分かってくれないんじゃ他の皆もダメだろうし」

ツヴァイが星を見上げながら足元に落ちていた小石を蹴飛ばす。

「うちに帰ろうかな?父ちゃんとか母ちゃんなら分かってくれるかも」

「・・・一人前になるまで帰らないって誓ったんじゃないの?アインもツヴァイも」

「だよな・・・悪魔になったんで叩き出されましたなんて兄ちゃん達に言えない」

とぼとぼとぼ

「どうする?いっそのこと騎士団に捕まろうか?少なくとも着るものと食い物と寝床は確保できるけど」

自棄になったように前を葉っぱで隠しただけのツヴァイが言った。

「そうだ!!姫様に相談しよう、拝領した魔剣も持ってるし、信じてくれるんじゃないかな?」

「アイン、葉っぱ落ちてる。せめて街中では隠して」

「そうだな、姫様、耳とか尻尾とか好きそうだし」

「じゃあ、早速、姫様に逢いに行こうぜ!俺、抜け穴を教えてもらってるんだ」

ツヴァイは頭を抱えた。

「なんで、一介の騎士見習のガキがそんなことを知っている」

ドーリーがあっけらんかんと信じられない言葉を口にする。

「えっ?ぼくも知ってるよ。可愛いからベッドに遊びに来てねって誘われたの」

城壁の一部。

そこがぽっかりと開いて姫様の寝室への通路となる。

「うわっ、本当に見張りいないや」

ツヴァイが呆れたように言い放つ。

「必要な時は鍵が掛かるって聞いたよ」

「うん、ぼくも前に来たら入れなかった」

ぱたぱたぱた、ぎぃ。

通路の突き当りにある扉を開く。

「忍んで来たくれた王子様は誰かな?」

あまり色気の無い寝着姿の姫様が待ち構えていた。

「獣人?珍しいわね、ペットにピッタリ!」

「アインですアイン!騎士団の!!」

アインは拝領した魔剣を見せながら叫んだ。

「犬になると思ったんだけどなあ・・・途中でやられちゃわないように渡した魔剣、役に立った?」

姫様は壁に装飾のように飾られている首輪と鎖を手に取りながら言った。

「知ってたんですか?こうなるってこと」

ツヴァイが詰問する。

「勿論よ、才能の無い子を行かせても無駄だし人選が難しいの」

アインの首に首輪を巻きながら姫様が答える。

「アイン・・・ちょっとは抵抗とか拒否とかしようよ」

ドーリーが自分にも伸びて来た姫様の手を軽く払い退ける。

「一緒に寝るのは一人だけね、ウサちゃんにしようかな?二人はそっちね」

 姫様が指差した先には室内犬が寝るようなバスケットを大きくしたような物があった。

露骨に嫌な顔をする3人。

「いいのよ、嫌なら衛兵呼んで逮捕して貰うから」


すやすや。

安らかに眠っているのは姫様だけ。

「コレ、ちょっと酷いよー」

姫様に抱き枕にされているドーリー。

ウサギの耳がハンドバックのように結ばれている。

「尻尾がムズムズする」

「僕も・・・なんでよりによってアインと・・・」

バスケットの中の二人は互いの尻尾を結び合わされてしまっている。
 
神経が通っているから痛いのもあるが、触られると感じるのだ。

結ばれているとお互いの体温を感じながらずっと感じていることになる。

朝までずっと。

月はまだそんなに低くはなっていない。

「なあ、コッソリ逃げ出さない?」

ツヴァイが背中の向こうのアインに囁く。

「・・・でも、姫様、怒るだろうし」

「じゃあ、アインはこのままペット扱いされたいのか?」

「それは・・・いや・・・だけど・・・」

がばっ

 ツヴァイが起き上がると尻尾が結ばれているアインも引っ張られて起き上がる。

「僕とドーリーだけで逃げるからアインは死ぬまで飼われてろっ!」

「・・・俺も行く」

ゴソゴソと姫様のクローゼットを漁ってなるべく男の子でもおかしくない服を物色する。

「アイン、パンツの臭いを嗅ぐのは後にしろ」

「ごめん、ちょっと好奇心で・・・でも洗濯済なんだよなこれって」

ちょんちょんと突付いてドーリーを起こす。

姫様はすやすやと眠っている。

「ドーリー、逃げるぞ」

「姫様、無防備だなあ、襲われたりしないのかなあ?」

「起きてるわよ・・・何処に逃げるつもり?」

姫様が目を瞑ったままで答える。

「お師匠様の所に戻ります、どうせ偽物も姫様が僕達をここに来させる為に造らせたんでしょ?」

「それは違うわ、偽物はあなた達3人の方なの」

「だから、それは・・・」

「いいから聞きなさい、可能性の洞窟に入れるのは『可能性』の部分だけなの。

淫獣の卵とか魔剣やら3人の潜在能力やらの複合作用で妙なことになったんだけど」

「ぼく達の方が偽物・・・?」

「本来なら召還獣になる筈だったの。でも本体と契約してないから1週間ぐらいで消える筈」

「俺達、洞窟から4日も掛かって帰ってきた・・・あと3日ぐらいで消えちゃう?」

「本体と契約したらどうなるんですか?」

「もう契約は無理よ。普通は洞窟から召還獣が出てきた瞬間に自動的に契約されるから」

「ぼ、ぼく、消えちゃうのは嫌だよ。お義母さんに逢えないのも息子で無くなっちゃうのも嫌だよお」

ぐすぐすぐす

ドーリーが泣き崩れる。

「俺だって嫌だよ!だいいち本物じゃないなんて自覚ないもん!!」

アインもつられて涙を浮かべる。

「ドーリー!、アイン!泣いたりする前にすることがあるだろ!!」

蹴りっ。蹴りっ。

ツヴァイが二人を蹴り倒す。

翼を利用して空中からの蹴りだから結構な威力がある。

ぎゅっ、きゅぽっ

アインのお尻の穴に納まっている尻尾と化した淫獣を引き抜く。

「こんなの挿れてたら、僕のが挿れられないだろ・・・」

「ツヴァイ・・・?」

「最初は僕が男役な、それだけは譲れないから」

「ぐすぐす、じゃあ僕はアインのを舐めてあげる・・・」

「お前ら〜っ、俺の初めては姫様って・・・その目の前で・・・やめろ〜っ!・・・って?」

アインは視界が霞んでいることに気がついてしまった。

「淫獣が憑いてたからその分だけ消耗が早かったんだ!」

角で気配を察知できるドーリーが叫ぶ。

「淫獣!アインにエネルギーを戻せ!!」

ツヴァイは一旦は引き抜いた尻尾をアインのお尻に突き立てる。

だが遅かった。

キツネの耳と尻尾を持つ少年は眠っているように意識を無くしていた。

悪魔のような翼と尻尾を持つ少年は無言で挿れたばかりの尻尾を引き抜くと今度は自身のお尻の穴に挿入した。

「僕も少しでも早く消えちゃいたいから・・・」

「淫獣は主人と認めてない者からは凄い勢いで生気を吸い取るのに!」

ばたん。

「酷いよ、二人とも・・・ウサギは寂しいと死んじゃう生き物なんだよ」

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