1月5日

いよいよ1999年が始まってしまった。
去年は、いろいろな銀行、企業の倒産が相次いで、
日本の経済情勢は最悪の年だったけれども、
実は、私個人の経済状況も悪くなる一方で、
小渕さんは、おそらく何もしてくれないだろう。
ああ、願わくば、このひよわな一バンドマンに
ささやかな幸せと、ちょっとの経済的余裕を与えたまえ。

初詣で行った明治神宮も川崎大師も、あまり御利益はないみたい。
賽銭をけちったかな?

今年はどこにも行ってないし・・・。

新年は1月の2日から営業が始まって、
おそらく、ガラガラだろうと思っていたら、
思ったよりは、お客さんは入った。
常連ばかりだったけど。
みんな今年も宜しく。
去年は2月で突然首になったけど、
今年は無事暮らせるように、がんばるからね。


首といえば、あのときは本当に驚いた。
忘れもしない1月29日、なにをかくそう
僕の30歳の誕生日だ。

その日、プロデューサーが店に来て、
突然、個人ミーティングだという。

「桜井、お前、いくつになった。」
「はいっ。今日で30になりました。」
「そうか、そんなめでたい日に、悪いんだが、
首だ・・・。」

いやいや、思い出せば、本当に最悪の年だったかな?
それでも、またこうやって、SAXを吹くことができるし、
まんざらでもないのかもしれない。

とにかくささやかに、『去年よりも良い年にしよう』
という目標を立てて、世紀末の1999年を
暮らして行くことにする。


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