2006/06/29

 春のGT戦線「第47回 宝塚記念」も、圧倒的一番人気のディープインパクトが多くのファンの期待に応えて優勝しました。秋には凱旋門への挑戦が発表されていただけに、壮行レースにふさわしい内容だったと思います。
それにしても彼の強さには改めて脱帽しました。あの道悪で後方からの追走、普通の馬ではとても使えない上がりのタイム(3F-34.9)をはじき出しての優勝は、ヨーロッパの芝を考えた時には非常に参考になったと思います。
ただ、個人的見解として書かせてもらうと、芝の質は日本とは大違いで、ゴルフに例えると日本のラフとヨーロッパのラフの違いはあると思います。
凱旋門に予定通り出走した際には、日本でのレースよりも前での位置取りをキープしなければ太刀打ちできないような感じはしています。
しかし、日本の競馬を代表しての挑戦です。検疫問題も含め色々の問題をクリアーして万全な体制で挑み、世界の競馬史に名を残せるよう大きな期待を持ってファンの皆さんと一緒に応援したいと思います。

さて、ディープインパクトの壮行レースとなったその宝塚記念ですが、ディープの勝負服風Tシャツを着たファンを多数見かける中、当日は朝からあいにくの雨模様となってしまいました。
馬場状態も稍重発表でしたが、レースが始まる頃には相当馬場も悪化し、人気の各馬も道悪を気にしながらのレース展開となりました。
当厩舎から出走したトウカイカムカムも作戦とはちょっと違う展開で、道悪も影響したのか後方からの追走となり、直線では大外からの強襲(ディープに続く3F-35.7)を見せはしましたが、残念ながら6着の成績でした。前走の天皇賞が5着だっただけに正直悔いの残ったレースだった事は否めません。
前の週で幸騎手が騎乗停止になり、鞍上を池添君に変更しての参戦でカムカムも頑張りはしましたが、GTレースなどの重要な競馬では状況変化にまだ対応しきれない面も見せました。しかし、今回の結果と反省点はしっかりと記憶に刻み込み、秋からの競馬に生かしたいと思います。

カムカムも今週の金曜日に生田トレーニングファームへ放牧に出します。
夏の暑い時期は涼しい北海道での放牧が通例ですが、秋初戦に考えている「オールカマー」「毎日王冠」「京都大賞典」いずれかをを視野に入れた場合、涼しい北の力から残暑厳しい栗東への帰厩は馬の体調に影響すると考えます。この夏は近畿圏で過ごし、夏の暑い日差しにも慣れておいたほうが、秋初戦への調整もスムーズに行くと思います。

さらに逞しくなったトウカイカムカムの勇姿を、トウカイテイオー産駒や他の管理馬を応援して頂くファンの皆さんにお見せできる様頑張ります。

今後も変わらぬ応援お願い致します。

2006/06/20

 北海道の牧場でもすっかり夏の日差しを感じるようになりました。競馬の開催も先週からサマーシリーズとなり、京都・福島・函館競馬が始まっています。今開催から2歳新馬戦も組まれ、サンデー産駒の2歳馬はいませんが、各厩舎とも色々な種牡馬の産駒をデビューさせ、それぞれ特徴のある馬がデビュー戦を飾っています。ファンの皆さんも今年デビューの2歳馬を応援する上で色々な思惑や応援の仕方が出来ると思いますが、新馬戦から目が放せないのではないでしょうか?
例年、函館の開催週には自厩舎の馬を出張させているところですが、今年は在厩馬の成績や状態が好調で、函館への出張馬はまだ2頭しか入厩していません。しかし、今週の競馬が終わればエリモハリアーも函館に向かい、昨年と同じローテーションで巴賞から函館記念連覇を目論んでいます。
また、現在入厩中の2歳馬も順調に仕上がっていますので、2回函館デビューに向けてスケジュールを組んでいます。こちらの方も楽しみにしています。

今週は前期GTレース最終戦の宝塚記念が行われますが、自厩舎からトウカイカムカムが出走します。先程締め切られたファン投票の結果、下記の馬達が出走を表明しています。

ファン投票 (最終発表) 有効投票総数 1,088,137票
順位 馬  名 投票数 性齢 騎 手 厩  舎
ディープインパクト 89,964 牡4 武 豊 池江 泰郎
リンカーン 66,080 牡6 横山典 音無 秀孝
ダオワメジャー 29,137 牡5 四 位 上原 博之
11 アイホッパー 22,126 牡6 藤 田 清水 出美
16 シルクフェイマス 16,264 牡7 柴田善 鮫島 一歩
18 ハットトリック 14,134 牡5 岩 田 角居 勝彦
21 カンパニー 12,806 牡5 福 永 音無 秀孝
23 バランスオブゲーム 11,442 牡7 田中勝 宗像 義忠
25 ナリタセンチュリー 10,794 牡7 田島裕 藤沢 則雄
29 ファストタテヤマ 8,777 牡7 武 幸 安田伊佐夫
36 チャクラ 7,211 牡6 小林徹 安達 昭夫
42 トウカイカムカム 6,024 牡5 池 添 田所 秀孝
道営 コスモバルク 地方選出 牡5 五十嵐 田部 和則

トウカイカムカムはファン投票42位でしたが、重賞未勝利馬としてはこの順位で仕方ないかもしれません。しかし、前走の天皇賞では5着に入り、疲れもすっかりと取れ当初から目標としていたレースですので、仕上げに関しては何ら問題はありません。むしろ戦闘モードにすでに入っていますので、これ以上テンションを上げずに今のままの状態を維持して本番を迎えたいと思います。
ただ、残念なことは天皇賞に騎乗した幸君が先週の競馬で2日間の騎乗停止となりました。前走でこの馬の癖を手の内に入れただけに、騎手変更は私としても痛手でしたが、急遽、池添謙一君に騎乗依頼をしました。彼は馬への当たりも柔らかく、昨年の宝塚記念ではスイープトウショウを優勝へ導いた実績もあります。当日がカムカムへの初騎乗となりますが、入念な打ち合わせと指示をして馬場へ送り出したいと思います。
今年の宝塚記念は不動の人気馬ディープインパクトが秋に参戦予定の凱旋門への壮行レースと位置付けされています。同じ土俵に上がるものとして打倒ディープといきたい所ですがいかんせん相手が強すぎます。
競馬は何があるか分からないと言われていますが、日本を代表する馬が順当に勝利を収め、世界の競馬史にディープインパクトの名を刻んでほしいのは関係者としても望んでいます。
とは言え、彼の背中がどの馬より間近に見える位置でゴール板を駆け抜ける事を願っています。