役に立たない講座

モデリングの基礎的な事は、マニュアルや市販の本に任せて、ここでは
私なりの3Dモデル作成応用の仕方を書きたいと考えています。基本的
に、「いかに手を抜いて見栄えの良いものを作るか」がテーマです。 

指の関節の考え方
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登録 98/01/17

ここでは、指の関節を例に取って関節のモデルの考え方を述べます。

本来ポリゴン系のCGツールでは、関節にはソーセージ状のモデルを重ねて
繋ぎあわせ、関節とする場合が多い。

しかし、最近の格闘ゲームなどにも、関節を一体で作成し、モデルを曲げる
事が出来るようになってきている。これは、スプライン系のCGツールが元
々得意としてきた分野で、1つのモデルの中に骨を通し、その骨に肉となる
モデルの形状を割り当て、本当の関節のように表現できる。

私が使っているアニメーションマスターでもこの機能は標準装備となってい
るが、この枠ではバージョン4で作成したモデルを使って解説する。

よって、ここでは先述の「骨」ではなく、「階層」構造でのモデルになるが、
モデリングの考え方はどちらも同じなので、このままお付き合い下さい。

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まず、上から下に向かってスプラインカーブを描き、これをろくろで回して
基本となる形状を作成する。指の様な細い所では、4分割で十分。

「骨」構造の場合は、これに骨を通す訳だが、ここでは階層構造モデルなの
で、これを3つに分解し、キャラクターモードで繋ぎあわせて、「スキン」
を設定する。

ところが、このモデルの形状だと、大きく曲げた際に、関節部分にかなりの
無理が出る。これは、AMでのスキンの概念が、親>子で関節が曲がった際
に親にはあまり影響が出ず、子が大きく変形する様に考えられているため。

yubi_2.gif

そこで、以下の様に関節の内側に余裕を持たせるように変更してやる。

こうすると、関節の内と外側に引かれるぶん、縮む分の余裕ができるので、
平たく潰れる事がなくなる。

yubi_3.gif

別に、無理に斜めに切らなくとも、関節の回転中心をずらしたり、曲げる
度合に応じて変形するようにアニメーションを作ればましにはなるが、こ
んな細かいところで労力を費やすくらいなら、この方が遥かに楽でよいと
私は思う。

手首の関節の考え方
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登録 98/09/22

次に、手首の関節を例に取って関節のモデルの考え方をば。

よくあるロボットのプラモデルや何かの手首は、手首だけで手をまわしたりと
いう表現をしているものが多い。

しかし、実際の手首の動きをよく考えてみると、手首は肘の先から動く事に
よって、回す事ができる。傾けたりの動作には、手首だけで動かす事も可能だ
が、スキンによって繋がったモデルを手首だけで回そうとすると、ぞうきんを
絞ったような感じになってしまう。

そこで、2の腕のパーツを、肘から下すぐで切ってしまい、残りの部分と手首
を一体化したパーツを作成し、手首を動かすようにする。

ude01.gif ude02.gif

これは、上腕にも同じ事が言えて、こうしたモデル構造を持つと、腕の動きに
よる表現の幅がぐっと広がる。

後は、この動きに合わせて、筋肉の盛り上がりなどを連動してアニメーション
させれば、かなりリアルなモデルになるのでは?(笑)


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