去る9月10日(火)11日(水)の両日、ワークスから4人の所員(荒木・奥・岩本夫妻)が、3人の介護者とともに東京・台場の東京ビッグサイトでおこなわれた国際福祉機器展を見学に行きました。例年、秋におこなわれている大規模な展示会で、日常生活に役立つ数多くの介護用品や介護機器、福祉車両などが、広大な敷地の中に所狭しと立ち並ぶ会場の雰囲気は、まさに壮観の一言です。最近は生活の様々な分野でのハイテク化が目立ちますが、それは福祉機器の世界でも同じです。介護機器類の進歩に目を奪われる中で、車イス関連、入浴やトイレ等の水まわり用品、電動ベッドや無圧マット等の就寝のための機器、車イスを離れて移動するためのリフトなど、様々な機器類を見ていて感じたのは、いざ利用したいと思っても、価格や設置環境等の面で入手をあきらめざるを得ない場合が多い福祉機器類に対し、視点を変えて暮らしの身近な点から便利にしていくことで、以外にも生活全体が潤うものだということを感じました。 |
例えば街に出ると、赤外線センサーで人の存在を関知して開閉する自動扉があるかと思えば、缶ジュースを買おうと自動販売機の前に行くと「いらっしゃいませ!どちらになさいますか?」と声がかかり、さらに買った缶ジュースを手に取り、その場を離れようとすると「ありがとうございました!」と声がかかります。まるでこちらが周囲の機械に見張られているかのような錯覚にとらわれるほどです。他にも今回の見学で注目した物としては、食事用の |
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の自助具として、熱湯に浸けると熱で柔らかくなり、形状を自由に変えられるスプーンやフォーク類、食べ物を飲み込むのが不自由な方のために「とろみ」をつける調味料や、嚥下を良くするゼリー飲料、食器を置いても滑りにくく加工してあるトレーや高さを変えられる机など、食事に関する介護用品の数々でした。また、この展示会の会場に行くまでに利用した電車交通だけを見ても、電車とホームの間に置く渡り板や階段のリフト、エレベーターなど、福祉機器と呼ばれるものが様々な移動手段に利用されていました。しかし、福祉機器の進歩の一方で、車イスで生活する者の移動手段に、選択肢がまだまだ少なく、数多く乗り継いで来た交通機関にも「展示会に置いてある機械があの駅にあれば良いのに・・・」と何度思ったことかわかりません。しかし展示会で見かけた便利な機器の多くが生活を送ることが不自由な身体障害者や老人、病人、さらにケガや疲労などで一時的に不自由さを強いられている方々の暮らしを、常に支えていることは事実です。今後のさらなる技術の進歩で、福祉機器類の設置が促進されるようになれば、日頃の暮らしもさらに便利になることでしょう。
荒木正幸
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