NAKAJIMA‘S EYES
童謡に想いを馳せて「うれしいひなまつり」
あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ  桃の花
五人ばやしの  笛  太鼓
今日は  楽しい  ひなまつり
   
お内裏さまと   おひなさま
二人ならんで   すまし顔
お嫁にいらした  姉さまに
   よく似た  官女の  白い顔
お内裏様とお雛様
〔作画・岩本永〕花の絵 金のびょうぶに  うつる灯を
かすかにゆする  春の風
少し白酒   召されたか
赤い  お顔の  右大臣

着物を着替えて  帯しめて
今日は わたしも 晴れ姿
 春のやよいの この良き日
なによりうれしい ひなまつり

  この童謡を聴くたびに肺ガンで旅立った
兄嫁を思い出す。私と同い年だった兄嫁。
この歌のように白く美しい顔立ちだった。
お葬式のあった日、私は入院中だった。病院のベッドの上で、
この歌を聴いていた。なんと、もの悲しい歌だろうか、と感じた。


                  
                                   Hideto  Nakajima

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