NAKAJIMA’S EYES(植物の名)
 植物の名前には、面白い名前がついている。秋に咲く花にホトトギス。花の模様が不如帰(鳥類)の胸の模様に似ているのでこの名がついたとか。また江戸末期から明治時代に活躍した作家(俳句・俳論で有名)、正岡常規は明治22年に肺結核を発病、吐血する。『米沢(山形)の昔話で「ある所に貧しい兄弟がいました。兄は目が悪く、家にとじこもって暮らしていた。そんな兄のために、弟はおいしい山芋を掘ってきて食べさせていたが、弟は芋のシッポばかり食べていた。目の見えない兄は、心がすっかり捻くれてしまい、弟が影で美味しい物を食べていると思い込み、ある日、弟を殺して包丁で腹を割いてみた。すると、突然兄の目が開き、物が見えるようになりました。弟の腹にあったのは粗末な物ばかり。自分の心が捻くれていたことに気付いた兄は「すまない、すまない」と呟いているうちに、魂が抜けて鳥になってしまいました。その鳥が子規(ホトトギス)だそうです。鳥になった兄は、弟を殺した罪で、1日に八千八声、喉から血が出るまで叫ばなくてはならなくなりました」』そこから正岡常規は止血した自分を子規と号したようです。他にも鳥の名がついた植物がある。鷺草(蘭科)雉莚(キジムシロ)、鵯花(ヒヨドリバナ)等です。晩秋から冬季にかけて花は山茶花や柊くらいしか咲きませんが。色んな種類の木の実が成熟し、色づく。紫色に美しく色づく紫式部。赤い実がつく青木、南天。千両、万両(お金持ちになれそうな名前ですね)はお正月に飾られます。青木花の絵は年中青々としているので、青木とか。南天は難を転ずるということから、玄関や鬼門や洗面所の脇などに植えられています。南天の箸は諸毒を消すという謂れ(いわれ)がありますが、あくまで謂れ(いわれ)であり、効果のほどは疑問です。

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