直腸膣壁弛緩症:膣内直腸脱


 

直腸膣弛緩症(rectocele)は直腸と膣壁の弛緩(ゆるみ)によって、排便時に力むと、排便時の直腸圧が、肛門の出口方向に向かわず、前方の膣方向に加圧され、直腸が膣内に膨隆、突出して、ポケット(supra sphincteric rectal pocket)を形成してしまい、その為に、便は、膣の方向に圧迫されて、力めば力むほど、便がでないで、自分で指を膣にいれて、力むとようやく便が肛門から排出させることが出来る。というような症状で 、一種の直腸膣内ヘルニアであります。わが国でもかなりの患者さんがおられて、排便障害を訴えられる女性で、この疾患を念頭におかなければならないと考えられます。また、直腸脱や膣脱垂、子宮脱、膀胱脱などとともに、高齢化社会を迎える21世紀には増加するものと考えられます。(直腸膣弛緩症の説明図 参照)

  症状    図による説明   診断法     治療(手術) 

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症状:

1)排便障害

 a)自分自身では便が出せない。

 b)腹圧をかけないと出ない。

 c)便が肛門のところでとまってしまう。

 d)浣腸をしないと便が出ない。

 e)肛門の周囲が膨らみ、袋が有る感じがする。

2)特有症状!!

 a)排便時に会陰部を押すか、膣(ちつ)内に指を入れて膨隆したポケットを押さないと便がでない!!。

3)副症状

 a)肛門出血、腫脹、脱出、疼痛などの痔核ようの症状があり、痔疾患として処理されることが多い。

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Rectocele

直腸膣壁弛緩症(薄い弱い隔壁)

正常女性直腸膣隔壁は広く強固(*印!

 

直腸膣壁弛緩症の方は排便しようと息めば息むほど、直腸と膣の間が薄くて筋肉が脆弱なため、黄色の矢印に示すごとく、きばった力(矢印)は膣の方向にふくれてしまって、その反面、肛門のほうは、圧迫されて、逆に閉じてしまうため、排便しようと腹圧をかければかけるほど、膣へ直腸の膨らみが突出するばかりで、どうしても肛門からは便をだすことができなくなってしまうのです。(上図左)

一方、「正常の方」は、力むと肛門のほうへ力がスムースに加わり、便がまっすぐ肛門からスムースに排出されます。(上図 右)。(全て女性)

診断法

a)触診(直腸指診)で方直腸に入れた指が膣方向にでてしまう。

b)排便造影(Defecography)一種のバリウム排出時のレントゲン特殊撮影。

     (一般病院ではあまり行われておりません)

治療:

 経膣式直腸壁縫縮補強手術。

    (この、手術は一般病院では殆ど行われておりません。日本では、九州 熊本市、福岡市の高野大腸肛門センターで良く行われており成績も良く 院長/理事長 高野博士が権威である。また、東京の東大久保の社会保険中央病院 大腸肛門センターも日本を代表する大腸肛門疾患のセンターであり、岩垂副院長らスタッフは肛門疾患はじめ、この方面の手術の権威。)

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