第11話以降のあらすじ　　　第01話〜10話　第21話〜30話

第11話　黒き羽根の天使
クレドールの中で、ルキアンとアルフェリオンの一体化の度合いを示す「交感レベル」の計測が行われていた。通常では考え難いほど高い交感レベルをたたき出すルキアン。それは、あたかもアルフェリオンが旧世界の時代に未来のルキアンのために作られたと言わざるを得ないような、不可解な結果である。そこでメイは、ルキアンに代わって、自分とアルフェリオンとの交感レベルを計測してほしいと言う。だがアルフェリオンを起動したメイは異様な幻にとらわれ、不気味な黒衣の女の姿を見るのだった。その後、ルキアンはメルカに会うために医務室に向かう。彼を迎えたシャリオは、「大きな木と雲の巨人」のおとぎ話と旧世界との関連について語る。やがて現れたメルカは、ルキアンが自分を見捨ててどこかに去るのではと、激しい不信感を示すのだが……。
第12話　星は導く、運命の刻へ
危険な戦場にメルカを連れてゆくことはできない。ルキアンはシャリオに付き添われて、ギルドの医師夫婦にメルカを預けに行く。なおもルキアンは、クレドールに乗り込んで旅を続けるべきか迷い続けていた。シャリオは、結果的に彼を戦いに引き込もうとしている自分に疑問を感じ、いたたまれなくなってその場を去ってしまう。追いすがるルキアン。優柔不断な彼に、シャリオは一時は厳しい言葉を投げかける。だが彼女はとうとう、メルカを置いてでも自分たちと一緒に来てほしいと言いたかった、と本心を吐露してしまう。そんなシャリオにメイは強く反発するが、ルキアンは決心するのだった。その頃、議会軍のマクスロウ少将は国王軍の陰謀について知る――実はパラス・テンプルナイツが招集されたのは、旧世界の超兵器「大地の巨人」を秘密裏に手に入れるためなのだと。

第13話　クレドール、出撃！
旅立ちの朝、ルキアンの見た悪夢――世界の終末を思わせる光景の中に立つ黒衣の女。港に辿り着いたルキアンは、憔悴しきった様子で保護され、クレドールの医務室に運ばれる。ここ数日の出来事にかろうじて耐えていたルキアンだったが、こらえきれなくなり、半狂乱になって自傷しようとする。強く抱きしめるシャリオ。彼女の腕の中で泣き続け、ルキアンは落ち着きを取り戻すのだった。メルカも艦内に密かに乗り込んでおり、メイたちに発見される。ついにクレドールは、ギルドの飛空艦ラプサー、アクスと共に議会軍のラシュトロス基地に向かう。同じ頃、反乱軍の本拠では、宮廷の最高実力者であるメリギオス大師との密約が成立したことに、総司令官ギヨットが笑みを浮かべていた。さらにパラス騎士団の魔道騎士セレナは、「大地の巨人」の眠る遺跡への隠された道を発見する。
第14話　運命の少年（前編）
ラプルス山脈の村で暮らす少年、アレス。彼は、亡くなった父のように立派なエクターになりたいと夢見ている。同じラプルス山脈の地下、セレナらは旧世界の遺跡を探り当てた。映し出される「大地の巨人」こと「パルサス・オメガ」の映像。それは、旧世界の「解放戦争」の際、天空人に対する地上人の勝利を決定的にした恐るべき兵器であった。その姿を目の当たりにしたセレナは、パルサス・オメガを本当に甦らせてよいのかと疑問を覚える。さらに彼女たちは、人工冬眠していた旧世界人の姉妹、チエルとイリスを発見する。二人に優しく接するセレナ。しかし、そこに現れたパラス騎士団の副団長ファルマスは、「巨人」の秘密を姉妹から無理矢理にでも聞き出そうと、卑劣な扱いに出る。チエルは機転を利かせて妹のイリスを逃がしたものの、自らはファルマスに捕らえられてしまう。

第15話　運命の少年（後編）
雪の中をさまようイリスと、アレスは出会う。なぜか近衛隊のアルマ・ヴィオも山中に来ていた。興味津々で近づこうとするアレスをイリスは必死に止める。言葉の通じないイリスと、アレスは筆談によって少しずつ意思疎通し始めるが……。他方、クレドールはイゼールの樹海の上を飛んでいた。「塔」で入手した資料をもとに、シャリオは旧世界の謎の解明を少しずつ進めており、いにしえの「世界樹」のことをルキアンに語る。樹海を越え、夕暮れの中央平原を前にしたルキアンは、世界に安らぎを取り戻すために自分にいま何ができるのか、徐々に考え始める。ナッソス家では、命をかけて戦いに望む覚悟をカセリナが父に告げていた。翌日、クレドールはラシュトロス基地に到着、ランディとシソーラは、ナッソス家との和平交渉に向かう。成り行きで、ルキアンも同行することに……。
第16話　目覚めよ、超竜
パルサス・オメガの発掘を阻止するため、マクスロウは特務機装隊をラプルス山脈に送り込む。彼はパラス騎士団との衝突すら辞さない構えであった。ラプルスでは、アレスとイリスが、チエルの救出に遺跡へと向かっていた。パルサス・オメガの起動方法をチエルから聞き出そうと、手段を選ばぬファルマスやエーマ。それに対して怒りを隠せないセレナ。遺跡に入ったアレスとイリスは、たちまち近衛隊に追い詰められてしまう。懸命に戦うアレスの前に、パラス騎士団のセレナ、エーマ、そして「黄金の騎士」ことラファールまでもが現れる。絶体絶命かと思われたとき、イリスは、遺跡に眠るアルマ・ヴィオ「サイコ・イグニール」を覚醒させる。彼女と共にイグニールに乗り込んだアレスは、一気に形勢逆転をはかる！　その頃、ルキアンたちはナッソス家の城館に到着しようとしていた。

第17話　ナッソスの娘
サイコ・イグニールの圧倒的な力に、近衛機装隊さえも歯が立たない。勢いに乗るアレス。だが、パラス騎士団のダン、エルシャルト、ダリオルが、エルムス・アルビオレを駆って立ちはだかる。最強の繰士たちに囲まれ、窮地に陥るアレス。そこに運良く、マクスロウの送り込んだ特務機装隊が到着し……。ナッソス家の城館では、ランディ、シソーラと公爵との会談が始まった。だが公爵には和平に応ずる姿勢が全くない。城内の中庭で待機していたルキアンは、偶然、カセリナと知り合う。彼女はルキアンに優しい心遣いを見せるのだった。しかし、運命の皮肉、公爵とランディたちを交えた茶会の場で、二人は改めて顔を合わせてしまった。ルキアンがギルドの飛空艦に乗っていることを知ったカセリナは、彼に非難の眼差しを向ける。私から大切なものを奪おうとする憎い敵なのね、と……。
第18話　暗雲、来たりて
パラミシオンの「塔」で発見された資料の解析が進む。旧世界の滅亡に深く関わったと思われる謎の人物、エインザール博士――彼の造り上げたアルマ・ヴィオは、地上界の側に立って天空植民市を次々と破壊し、「紅蓮の闇の翼」として天空人の恐怖の対象となったという。その事実と『沈黙の詩』の内容との類似性に、クレヴィスとシャリオは注目する。そしてアルフェリオンとの関係にも……。ラプルス山脈では、議会軍の特務機装隊がわずか３人のパラス・ナイトによって一瞬で壊滅させられてしまう。なおもアレスは無謀な戦いを続けようとするが、イリスはサイコ・イグニールを強引に撤退させる。そしてナッソス家の城館では、ランディたちと公爵との会談が、ルキアンとカセリナを交えて続けられていた。公爵との論争の中、ルキアンは自らの戦う理由を次第に自覚してゆく。

第19話　序曲
ギルドの繰士たちが、各地からラシュトロス基地に続々と集結していた。望みのない和平交渉に敢えてギルドが応じたのは、戦力集結までの時間稼ぎのためでもあったのだ。だがその間、帝国軍がオーリウムに刻々と近づいているのも事実。それを知るナッソス家も、ランディらを城館に足止めし、開戦を必要以上に引き延ばそうとする。その頃、議会軍の主力部隊は大軍をもって「レンゲイルの壁」へと迫る。しかし、そこに正体不明の黒いアルマ・ヴィオが現れ、半径数キロを焦土に変える程の恐るべき攻撃によって、議会軍主力の三分の一を消失させる。それはメリギオスの仕組んだ罠であった。さらにパラス騎士団を遣わして「パルサス・オメガ」を手に入れたのも彼に他ならない。思い通りに事が進み、高笑いするメリギオス。彼の前には、この世の者と思えぬ謎の黄金仮面たちの姿が……。

第20話　戦火の中で
ランディ、シソーラ、ルキアンはラシュトロス基地に戻った。交渉は決裂し、戦いの火ぶたが切って落とされる。ギルドの陸上部隊がナッソス領に進軍する一方、飛空艦クレドール、ラプサー、アクスは、ナッソス家の艦隊との対決に臨む。大型戦艦も含め多数の飛空艦を擁する敵艦隊に対し、ギルド側は、クレドールの誇る方陣収束砲によって最初の一撃を加える。相当の被害を被った敵艦隊だが、圧倒的な数の差は埋め難く、一進一退の戦いが続く。ギルド「三強」の一人・レーイをはじめ、ギルド艦隊のアルマ・ヴィオは敵艦を徐々に沈めてゆく。だがナッソス軍も４０機を超える飛行型アルマ・ヴィオで猛攻をかけ、ギルドの艦隊を窮地に追い込む。自ら出撃するクレヴィス！　その軍神のごとき戦いぶりに衝撃を受けたルキアンに対し、艦長はクレヴィスがなぜ戦うのかを語るのだった。