宿便陥頓(かんとん)と摘便手技の実際


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宿便陥頓とは:

宿便陥頓(しゅくべんかんとん)とは、便秘の便が、肛門のすぐ手前の直腸で、大きくかたまってしまって、ボールのようになって、はさまってしまったようになり(このことを陥頓といいます)、いきんでも、気張っても、さらには、浣腸しても、全く便が出ず、にっちもさっちも全く自分では便が出せなくなった状態を言います。

宿便陥頓の症状(下図:患者肛門外見)

肛門周囲のただならない、異常なただれ炎症。

症状

1)続く頑固な便秘と不快感、全身状態悪化、衰弱。しかし、本人以外はその苦しさが理解出来ない。浣腸しても便がでないので、便秘と思わない。

2)ちょこちょこと便汁がでるので、むしろ下痢と思ってしまい、便秘があるとは思わない。

3)強度の残便感(居ても立ってもおれない焦燥感を訴える。周囲の人や家族は訳が分からない)

4)頻回の排便と頻回の少量の便汁排出

5)肛門周囲のただならない、異常なただれ炎症(左図参照)

6)一日中の便意と直腸部耐え難い不快感

摘便の方法とその実際(下図:写真)

人差し指と中指の2本の指を曲げて、便塊をかきだす。

摘便の簡単な診断法:

ゴム手袋をして、ワセリンをぬってまず肛門の中を人差し指でさぐる。大きな糞塊があれば、宿便陥頓と診断する。

摘便方法:

左図のごとく、ゴム手袋にワセリンやオリーブ油をぬって、人差し指と中指の2本をそろえて肛門内に挿入し、便塊をくづすように、少しづつえぐるように、取り出し、そばに新聞紙をおいておいて、そこに摘出した便を置き、さらに摘出をくり返す。ほぼなくなったら、念の為浣腸をして、完了。すっきりしたと感謝されます。

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