☆ 新春座談会 その2 ☆

メイ  さて、アルフェリオンお正月スペシャル「変人だらけの新年会」、続きです。
副長   いつの間にか番組名が変わっていませんか? それに、どこかで毎年聞くようなタイトルですね。何となくプールに行きたくなるかもしれません。
メイ   違ってた? まぁ、似たようなもんじゃない。何だったっけ、「これでいいのかアルフェリオン」だったかな?
副長   ますます深みにはまっていくように思うのは、私だけでしょうか。ともかくVTRをどうぞ。
 <会場の巨大モニターに写った映像に、観客が騒然!>
メイ   お、おーっ、この映像は何? お正月からいきなり心霊写真特集か!? 少年の背後に浮かぶ黒い服の女……。今夜は1人でトイレに行けないぞぉ。 
 <照明が落ちる。>
メイ   どろどろどろどろどろどろ〜。
副長
   違います(汗)。昨年最大の衝撃シーン、パラディーヴァのリューヌさんが初登場した場面です。
メイ   あら、この少年ってルキアンじゃない?
副長   今頃気づきましたか……。
姐さん あの回は壮絶だったよねぇ、ゲストのルキアン君。
るつき は、はい? 急に振られても困るんですけど……。僕自身、まだ心の整理ができていないんです。
姐さん リューヌさんのことは以前から知ってたワケ?
るつき 名前までは、さすがに。でも彼女の声は第1話の時点から知ってました。長いこと、「謎の声」とか「黒衣の女」とか呼ばれてましたよね。
姐さん と、いうことは――連載開始以来、3年以上もリューヌさんは黒子状態だったのね(汗)。ひどい小説……。
副長  ただ、リューヌさんは旧世界の時代から今まで、マスターをずっと待ち続けていたのです。 そんな彼女にしてみれば3年など一瞬かもしれません。
メイ   忠犬ハチ公みたいな話。ぐっすん。
 <観客、思わず意味も分からず涙ぐむ。>
アレス ちょーっと待った! コレ、そんなにいい話かよ?
閣下  ほぅ。アレス君、珍しく冷静で的確な意見だな……。
アレス この羽根背負った黒服のお姉さん、なんか、悪そー!(正直 ^^;)
るつき ……。
メイ   そういえばそうね。呼び名からして、「漆黒の翼」なんて、誰が聞いても邪悪そうな響きだなー。 
副長   確かに。この映像をご覧ください。リューヌさんが、誰かさんのしもべとして働いてますね。しかし……。
アレス ていうか、血まみれじゃん(汗)。ひどいヤツだな、パラディーヴァって。
閣下  あまり正月番組には似つかわしくない場面だろうな。これがもし映像メディアだったなら、P○Aから苦情が来るかもしれん。
るつき (反論できず)。
姐さん ルキアン君、非常に苦しい立場ですが? 会場の所々に「パラディーヴァは出て行け!住民連絡会」ですとか、「パラディーヴァから青少年を守る会」といった大団幕も見えます(笑)。
るつき ぼ、僕とリューヌがまるっきり悪役みたいな言い方ですね……(泣)。
アレス だから言ってるだろ。主人公は俺だって。
女史  待ってください、みなさん。ここは感情的にならず、落ち着いて考えてみましょう。
るつき  うるうる。シャリオさん(感涙)。
女史  そう、先入観を持たず客観的に判断してくださいね。一方は、美少女や勇敢なペットとともに冒険する、元気で明るい少年A。他方は、心を閉ざした孤独で思い込みの激しい少年B(苦笑)と、黒ずくめで羽根の生えた、目つきと顔色の悪い女……。いいですか、みなさん。ルキアン君やアレス君という個人名は忘れて、冷・静・に・比較してみてください。冷静に。
閣下   比べるまでもなく、前者は「定番主人公とその素敵な仲間たち」だと考えるのが筋だろうな。後者は、「悪の大ボスに心の隙をつかれて利用されるが、本当は寂しがり屋で不幸な生い立ちで、主人公の友情によって最後には改心するかわいそうなライバルと――元々は凶悪だが、彼に付き従う間に同情心が芽生え、やがては愛を感じて改心していくその部下」だな。分かりやすい。最近ありがちなパターンだ。
姐さん アンタ、見たんか?(苦笑)。でも当たってそぅ〜。
るつき  ……なんか、シャリオさん、余計に僕を追い込んでません? 気のせいかな。
女史  気のせいですわ(^^;)。わたくしはルキアン君のことを思って、感情的な即断を抑えようとしただけですの。
副長   理詰めでこられても、結局、誰かさんの立場は悪くなる一方ですね。まぁ、そういう設定ですから。そこがまたアルフェリオンの醍醐味かもしれません……。
るつき  クレヴィスさん、そこでまとめないでくださいよぅ(;_;)。
アレス 第一、「旧世界を滅ぼした呪われしステリアの力を胸に、今日もみんなのために平和を守る主人公」って、あからさまに前半と後半で違和感アリアリな表現だろ?
メイ   思いっきり無理がある(^^;)。
るつき  (ぐさっ)。
アレス でもって、「闇の力を思い知れ!」だなんて、自分は悪役ですって言わんばかりの台詞だぜ(笑)。そんな主人公ありか?
るつき  僕、そんなこと言ってない。
アレス そのうち言うことになってるんじゃないの? 鏡海さんからもらった台本に書いてあっただろ(^^;)。
るつき  (図星)。
姐さん アレス君のすさまじい攻勢に、ルキアン君は手も足も出ません。これは面白い、いや、大変な展開になってきましたわね、閣下?
閣下  そうだな。このままいけば、今年はルキアン君の主人公降板もあり得るかもしれん。
るつき  いいんです。いいんです。どうせ僕なんか……。本来なら脇役っぽいキャラを主人公に持ってきてしまった物語ですからね、この小説は。
 <会場、しらけムード。>
姐さん 出ました、るっきーの得意ワザ。彼の「その場を盛り下げるキャラ」は、本編同様に健在です!
閣下  まずいな。お客さんが席を立ち始めている。何とか手を打たねば。
るつき  (舞台にしゃがんで、指で床に字を書き出す)。
姐さん あらら、ルツキー、完全にグレちゃった(汗)。会場の雰囲気、ヤバいわねぇ。一発芸でもやらなきゃ! メイ、ちょっと手伝いなさい。
メイ   おし、きたっ!
姐さん うっかり触るとヤケドする熱い女たち――ウチら2人で、合わせて……。
メイ   バーニング娘.com!!
 
<会場、ざわつく。>
メイ   笑ってる。笑ってる。
姐さん 「失笑」の間違いでは?
メイ   すべっちゃった? あらら。やばいよ。どうしよ、姐さん。次は「シャイニング娘。」あたりでいく?
姐さん だいたい、あたしら「娘」って年でもないでしょ。冷静に考えると。
エル   ○ーニングおばちゃん、くすっ。
姐さん いま、とてつもなく聞き捨てならないセリフが聞こえたような気がしたけど、空耳かな。
閣下  エルヴィンが喋った……。お客様も注目しているぞ。ここで一気に挽回か?
エル   くすくす。さっきの話だけど、リューヌさんは黄金仮面たちの敵なの……。
姐さん おや、これは! とうとうエルヴィンが沈黙を破りました。さすがルキアン君とは電波友達(笑)。彼のピンチを救うのでしょうか!? 
るつき  そうですよぅ!!(必死)。あの黄金仮面たちって、絶対、悪者にしか見えないんですけど。彼らに立ち向かうリューヌは、いい人に決まってます!
アレス うーん、そっか。悪者の敵は正義の味方かぁ。そりゃまぁ、な。
副長   た、単純ですね、あなたは……(汗)。
るつき それにテュフォンだって、実はパラディーヴァみたいだし。あの子、優しそうな美少年ですよ。悪い人に見えます? あんな・美・少・年・が(強調)。
姐さん 見えません(即断)。おーっと、ルキアン君、決死の反撃に出ました。
女史  あの、ちょっといいでしょうか? 視聴者の方々は、パラディーヴァの秘密に関心をお持ちだと思うのですが。そのあたりはどうでしょう?
閣下  さすがクレドールの良心。
副長   そうですね。お待たせしました。では、いよいよパラディーヴァの謎に迫りたいと思います。さらに気になる「黄金仮面」や「赤い巨人」等々についても。
メイ   でも、その、クレヴィー……そろそろCMの時間なんだけど。
副長   誰のせいでしょうね(冷ややか)。
姐さん あは。あははは。それではひとまず、CM行ってみたいと思います。
閣下  ふっ。すまないな、司会の私がいたらないばかりに (またもやカメラ目線)。

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