5th step
登録 99/09/23

今回は、チップのアイテムで、魔法のほうきの様な乗り物にもなる
ハンマーを作る。

基本的な作り方は、輪郭を取って、回転体で作って行くのだが、ここ
では一番苦労したマテリアル設定について詳しく解説する。

基本的なマテリアル設定は、パッチをグループ化して材質や色を考え
ながら割り当てて行く。

しかし、このハンマーには2つ厄介な部分がある。
それは、部分的にテクスチャを貼る、光源をモデル内部に持つ、の2点。

部分テクスチャは、ポリゴンベースのツールでは、簡単に設定できる。
しかし、スプラインベースのツールでは、あまり簡単な事では無い。

出来たとしても、モデル全体に一括して設定するのが多い。

そのために、アニマスでは「デカル」という機能を使って、プラモデルに
デカルを貼るように、モデル表面の部分的に絵を貼る事ができる。

が、アニマスでは今のところ、このデカルは平面上に平行投射しかできない。

今回のテクスチャは、ハンマーのグリップに細い布が巻かれているというもの
なので、テクスチャがモデルの周りを一周する必要がある。

そこで、ソフトイマージの機能にある、UVマップもどきを考える。

ソフトイマージのUVマップは、割り当てたポリゴンの頂点に合わせて、テクス
チャを変形させるという機能。

しかし、こちらは面に合わせて絵を変形させるのではなく、絵に合わせて面を変形
させる。

アニマスは、デカルを一度設定すると、後でモデルの頂点を動かしてもテクスチャ
はそれに付いていく機能を利用する。

まず、縦に4分割した長方形の板モデルを作る。
これに、デカルでテクスチャをそのまま貼る。

mc_md34 mc_md35 mc_md40

この板を、丸めて筒にする。その際、断面が円になるように調整する。

こうすると、平面投射しかなくても、円柱の周りにテクスチャを設定できる。

しかし、これは固いものに対する手抜きなので、柔らかいものに設定する際には、角柱
を用意して面毎にテクスチャを分割し、奇麗に合わせて貼ってやらないといけない。

次の問題、光源のモデル一体化。

shadeではモデルの中に光源を設定できるが、アニマスでは別に設定してコレオ
グラフィーで合体させなければいけない。
これだと、シーン毎に設定を作らないといけないので、機能でごまかす事にする。

アニマスには、「ラインレンダリング」という機能があって、スプラインそのものを
線としてレンダリングできるという便利なものがある。

mc_md37 <ラインレンダリング

しかも、この線に色や太さ、グーロー(光り具合)まで設定できるので、これを光源
代わりに使う。

このハンマーには、砂時計の様な部分があって、その中に光の粒が何個か入っている。

これを、3点の閉曲線にラインレンダリングとグーローを設定して表現する。
縮小してしまえば、光る点に見える。頂点数を減らすなら、2点の短い線でも良い。

mc_md38 mc_md39

ラインレンダリングでなくても、ソリッドモデルで環境光を0に設定したものに、
グーローを設定してやれば再現できる。

また、光点らしきものをテクスチャで用意して、中に入れてしまうという方法もある。

もちろん、動画を作る際に光源をミリ単位で制御する暇と根性があるのなら、こんな
「もどき」を使う必要は全くない。(笑)

逆に、この部分をアップで見せる必要があるなら、スケールの大きいモデルを用意して
実際に光源を設定してやれば良い。

そんなこんなで、ハンマーは完成。

mc_md41

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